演題名は「ウィルス性肝疾患治療の進歩と現在の課題」
講師は、広島大学大学院医系科学研究科消化器内科学准教授柘植雅貴先生でした。
抗ウィルス治療の進歩(C型肝炎に対する直接作用型抗ウィルス剤とB型肝炎に対する核酸アナログ)により肝炎ウィルスのコントロールは可能となった。その具体的治療につき解説された。しかし未だB型肝炎ウィルスを完全に排除する手立てはなく、現在様々な治験が行われているが現状は厳しいのが実情らしい。C型肝炎排除後の肝発癌症例とB型肝炎ウィルスキャリアからの肝発癌症例を経過と画像を提示された。2症例ともに診断時すでに癌末期、短期間で死亡していた。肝炎ウィルスが排除・制御されても一定の割合で肝臓がんは発症するために、そのリスクに応じたフォローアップ(エコー検査や肝がん腫瘍マーカー検査)の重要性を強調された。トピックスとして、ALT 30以上に焦点を当てた奈良宣言、非観血的肝線維化検査法として、フィブロスキャン、肝線維化マーカーM2BPGi、FIB4 index、本年2月保険収載となったELFスコア(Enhanced Liver Fibrosis)の紹介をされた。
2024-04-03 18:28:14
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